O U R S E R V I C E S
Helping You Travel
Flight Plans
|
Hotel Bookings
|
Travel Activities
|
ストリーテラー志願すてきな明日のために
|
- 口演童話 -
ある大切なこと
口演童話の恩師が亡くなりました。それまでは、口演童話の大切さがわかっていたようで、あまり自分では理解していなかったと思います。もう恩師の童話が聞けなくなったかと思うと、悲しいのはもちろんのこと、何か大切な宝物を永遠になくしてしまったような気がしてなりません。口演中のビデオが何本か残っているので、それを見ればいいようなものですが、映像に映らない口演童話の魅力の方が、はるかに多い気がします。
再話に力を入れている作家の中には、語り部のところに出向いて録音をして、テープ起こしをして出版をするということもあるようです。昔を語る人が少なくなっていく以上、それも致し方ないでしょう。しかし、文字になった言葉では、その場で語られた生きた言葉の響きが、正確には伝わりません。声には、消えゆく運命があるからです。テープに吹き込んだから大丈夫だと思われるかもしれませんが、言葉は生き物です。生きた言葉は、必然的にそこに存在しているのです。確かに、記録として残していくことも大事です。実際に語りを聞いて、それを後世に自分の言葉で伝えることをしないと、語り継ぐ命の火は消えていくことになるのですから。
お話し会などで語っていて、気づくことがあります。子どもたちの中には、お話しに耳を傾けてくれない子がいたりするものです。そういう子の中には、自分に関心を示してほしいという場合もあります。お話しは、「一字一句、間違わないように!」「中断したら、内容をだいなしにしてしまう」というような声も聞かれます。しかし、子どもに声をかけることも大切です。「今度は、だれがやってくると思う?」というように、元々の台本にはない言葉を使って、次への関心をひきだすことが、話し手と聞き手の関係にとって大事です。だからといって、お話しが、脱線ばかりしていいものではありません。その子が、どれくらいお話しを今まで聞いてきたかによって、その手法も変えるべきです。
逆に「えっ何? それ何?」と、いろいろ聞いてくる子がいます。その理由は、いろいろ考えられますが、本当に聞きたいというのなら、そのとき答えてあげるべきでしょう。「そのことは、後で答えてもいいかな?」と聞いてみて、話しを進めることもできるでしょう。また、質問の意味には、そのこと自体の意味を聞きたいのではなく、自分との関わりを聞きたいということもあります。「どうして? どうして?」と聞かれても、大人に答えるように、科学的に論理的に答えても、それが答えにならない場合があります。一度お話しから離れて、「それでね。お話しの続きは、こうなんだよ」と元に戻してもいいでしょう。それが、口演童話のスキンシップです。
スキンシップと聞くと、子どもをひざの上に抱いて、絵本の読み聞かせをするようなことを想像するかもしれませんが、言葉のキャッチボールをすることや一緒に歌うことも、広い意味でのスキンシップです。それが、子ども達をストレスから解放したり、素直な心を形成したりするのに役立ちます。そして、お話しを聞くことができれば、お話しを話せることにもつながります。「今日、幼稚園でこんなことあったんだよ」とか、「今日の学級活動は、こんなことをしたよ」とか。親は、学校の事を話してくれない、教えてくれないと嘆く前に、自分の子が話すことの素地ができているのかどうかということを考えなければなりません。自分がお話しをしていないのに、子どもたちに口演童話を体験させていないのに、子どもに話してくれというのは虫がよすぎるというものです。
恩師のようなスキンシップのあるお話しはまだできませんが、口演童話作家、ストーリーテラー、語り部など、どんな呼ばれ方をしたとしても、口演童話の火を消すことのないようにしたいと思います。
参考:ある大切なこと -口演童話-
再話に力を入れている作家の中には、語り部のところに出向いて録音をして、テープ起こしをして出版をするということもあるようです。昔を語る人が少なくなっていく以上、それも致し方ないでしょう。しかし、文字になった言葉では、その場で語られた生きた言葉の響きが、正確には伝わりません。声には、消えゆく運命があるからです。テープに吹き込んだから大丈夫だと思われるかもしれませんが、言葉は生き物です。生きた言葉は、必然的にそこに存在しているのです。確かに、記録として残していくことも大事です。実際に語りを聞いて、それを後世に自分の言葉で伝えることをしないと、語り継ぐ命の火は消えていくことになるのですから。
お話し会などで語っていて、気づくことがあります。子どもたちの中には、お話しに耳を傾けてくれない子がいたりするものです。そういう子の中には、自分に関心を示してほしいという場合もあります。お話しは、「一字一句、間違わないように!」「中断したら、内容をだいなしにしてしまう」というような声も聞かれます。しかし、子どもに声をかけることも大切です。「今度は、だれがやってくると思う?」というように、元々の台本にはない言葉を使って、次への関心をひきだすことが、話し手と聞き手の関係にとって大事です。だからといって、お話しが、脱線ばかりしていいものではありません。その子が、どれくらいお話しを今まで聞いてきたかによって、その手法も変えるべきです。
逆に「えっ何? それ何?」と、いろいろ聞いてくる子がいます。その理由は、いろいろ考えられますが、本当に聞きたいというのなら、そのとき答えてあげるべきでしょう。「そのことは、後で答えてもいいかな?」と聞いてみて、話しを進めることもできるでしょう。また、質問の意味には、そのこと自体の意味を聞きたいのではなく、自分との関わりを聞きたいということもあります。「どうして? どうして?」と聞かれても、大人に答えるように、科学的に論理的に答えても、それが答えにならない場合があります。一度お話しから離れて、「それでね。お話しの続きは、こうなんだよ」と元に戻してもいいでしょう。それが、口演童話のスキンシップです。
スキンシップと聞くと、子どもをひざの上に抱いて、絵本の読み聞かせをするようなことを想像するかもしれませんが、言葉のキャッチボールをすることや一緒に歌うことも、広い意味でのスキンシップです。それが、子ども達をストレスから解放したり、素直な心を形成したりするのに役立ちます。そして、お話しを聞くことができれば、お話しを話せることにもつながります。「今日、幼稚園でこんなことあったんだよ」とか、「今日の学級活動は、こんなことをしたよ」とか。親は、学校の事を話してくれない、教えてくれないと嘆く前に、自分の子が話すことの素地ができているのかどうかということを考えなければなりません。自分がお話しをしていないのに、子どもたちに口演童話を体験させていないのに、子どもに話してくれというのは虫がよすぎるというものです。
恩師のようなスキンシップのあるお話しはまだできませんが、口演童話作家、ストーリーテラー、語り部など、どんな呼ばれ方をしたとしても、口演童話の火を消すことのないようにしたいと思います。
参考:ある大切なこと -口演童話-
子ぐものいのり
教会の天井の隅に、2匹のくもの親子が住んでいました。今夜はクリスマスイブ。人間たちは大掃除を始めました。そして、大きなもみの木が運び込まれ、素敵なクリスマスツリーが出来上がりました。きれいに飾られたツリーを見て、親子ぐもはうっとりしました。2匹は、もみの木に移り、つるしてあるものを1つ1つ見て回りました。おじさんが入ってきたので、慌てて2匹は逃げました。するとおじさんは、「こんなにくもの巣をはりめぐらしおって。いたずらぐもめ、どこにおるんじゃ!」と叫びました。おじさんがいなくなった後、2匹は糸を外そうともみの木に戻ろうとしましたが、今度は、飾りつけをした学生さんたちが戻ってきてしまったのです。子ぐもは悲しくなり、涙をぽろぽろとこぼしました。そして、神様にお祈りを捧げたのです。果たして神様は子ぐもの祈りを聞き届けてくれるのでしょうか。
日本のアンデルセン、久留島武彦のお話を絵本化。
教会の天井の隅に、2匹のくもの親子が住んでいました。今夜はクリスマスイブ。人間たちは大掃除を始めました。そして、大きなもみの木が運び込まれ、素敵なクリスマスツリーが出来上がりました。きれいに飾られたツリーを見て、親子ぐもはうっとりしました。2匹は、もみの木に移り、つるしてあるものを1つ1つ見て回りました。おじさんが入ってきたので、慌てて2匹は逃げました。するとおじさんは、「こんなにくもの巣をはりめぐらしおって。いたずらぐもめ、どこにおるんじゃ!」と叫びました。おじさんがいなくなった後、2匹は糸を外そうともみの木に戻ろうとしましたが、今度は、飾りつけをした学生さんたちが戻ってきてしまったのです。子ぐもは悲しくなり、涙をぽろぽろとこぼしました。そして、神様にお祈りを捧げたのです。果たして神様は子ぐもの祈りを聞き届けてくれるのでしょうか。
日本のアンデルセン、久留島武彦のお話を絵本化。