ジョークボックス「窓口は13番」
ある男が警察に自首してきた。
「わたし、人を殺しました」
「自首ですね。ここはその窓口じゃありません」
「何番に行けばいいでしか?」
「13番の窓口へ行ってください」
男は13番の窓口に来た。
「今窓口間違えて、そこでこちらに回るように言われたのですが」
「そこの椅子に腰掛けて、ちょっと待っていてください」
「わたし、人を殺したんですが」
「わかっています。先の窓口から連絡が来ています。まず、この書類の記載をお願いいたします」
「面倒くさいんですね。自首するって」
「それ相当の罪を犯したのですから、面倒でも何でもやってもらいます。よろしくお願いいたします」
「はい」
「氏名・住所・生年月日を書いて、殺害時刻と場所も。殺害の方法とか動機も書いてください。それと被害者との関係も記載してください。どうかされましたか?」
「今殺してきて来たばかりで、まだ手の震えが止まらないんです」
「まあ心を静めて書いてください。間違えても書き直さないでください。公文書偽造で罪が重くなります。間違えたときは、新しい用紙に最初から書いてもらいます」
「口頭じゃだめですか」
「自筆と決まっています。あっ、もうすぐ昼休みだ」
「だから何なんですか?」
「すみません。昼休みを取らないと上の方がうるさいんですよ」
「気にしないで、昼にしてください」
「恐れいります。窓口は一旦閉めますので、あなたも外でお昼にしてください。次来るときは、窓口を間違えないようにお願いいたします」
「はいはい。覚えていたらね」
「もう間違いはしないでください。窓口は13番ですよ!」
「はいはい」
「くれぐれも間違えないように。窓口は、13番!」
「はいはい」
「『はい』は1回にしときなさい。私を怒らすと恐いですよ。間違っても逃げないでください。逃亡罪で、さらに罪を重ねることになります」
「・・はい」
ドラマ「黒澤 明 ドラマスペシャル 生きる」2007
https://amzn.to/2JXjRww
黒澤明監督の名作映画「生きる」をドラマ化。市役所に勤める市民課長(松本幸四郎)は、ある日自分がガンもうすぐ死ぬことを知る。そんな時部下の小田切とよと出会い、明るく元気に生きる彼女の姿に心を惹かれる。そして、公園を作ることに生きる意味を見出す。
映画「生きる」1952
https://amzn.to/2Pnl06c
出演: 志村喬, 小田切みき, 小堀 誠, 金子信雄, 千秋 実
監督: 黒澤明
黒澤明が人間の真の生きがいを問うたヒューマンドラマの傑作。胃癌に冒され余命幾ばくもないことを知った公務員が、市民のために小公園を建設しようと奔走する姿を描く。主演の志村喬は、この作品で世界にその名を知られる名優としての地位を確立した。
参考:ジョークボックス「窓口は13番」
ジョークボックス
ある男が警察に自首してきた。
「わたし、人を殺しました」
「自首ですね。ここはその窓口じゃありません」
「何番に行けばいいでしか?」
「13番の窓口へ行ってください」
男は13番の窓口に来た。
「今窓口間違えて、そこでこちらに回るように言われたのですが」
「そこの椅子に腰掛けて、ちょっと待っていてください」
「わたし、人を殺したんですが」
「わかっています。先の窓口から連絡が来ています。まず、この書類の記載をお願いいたします」
「面倒くさいんですね。自首するって」
「それ相当の罪を犯したのですから、面倒でも何でもやってもらいます。よろしくお願いいたします」
「はい」
「氏名・住所・生年月日を書いて、殺害時刻と場所も。殺害の方法とか動機も書いてください。それと被害者との関係も記載してください。どうかされましたか?」
「今殺してきて来たばかりで、まだ手の震えが止まらないんです」
「まあ心を静めて書いてください。間違えても書き直さないでください。公文書偽造で罪が重くなります。間違えたときは、新しい用紙に最初から書いてもらいます」
「口頭じゃだめですか」
「自筆と決まっています。あっ、もうすぐ昼休みだ」
「だから何なんですか?」
「すみません。昼休みを取らないと上の方がうるさいんですよ」
「気にしないで、昼にしてください」
「恐れいります。窓口は一旦閉めますので、あなたも外でお昼にしてください。次来るときは、窓口を間違えないようにお願いいたします」
「はいはい。覚えていたらね」
「もう間違いはしないでください。窓口は13番ですよ!」
「はいはい」
「くれぐれも間違えないように。窓口は、13番!」
「はいはい」
「『はい』は1回にしときなさい。私を怒らすと恐いですよ。間違っても逃げないでください。逃亡罪で、さらに罪を重ねることになります」
「・・はい」
ドラマ「黒澤 明 ドラマスペシャル 生きる」2007
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黒澤明監督の名作映画「生きる」をドラマ化。市役所に勤める市民課長(松本幸四郎)は、ある日自分がガンもうすぐ死ぬことを知る。そんな時部下の小田切とよと出会い、明るく元気に生きる彼女の姿に心を惹かれる。そして、公園を作ることに生きる意味を見出す。
映画「生きる」1952
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出演: 志村喬, 小田切みき, 小堀 誠, 金子信雄, 千秋 実
監督: 黒澤明
黒澤明が人間の真の生きがいを問うたヒューマンドラマの傑作。胃癌に冒され余命幾ばくもないことを知った公務員が、市民のために小公園を建設しようと奔走する姿を描く。主演の志村喬は、この作品で世界にその名を知られる名優としての地位を確立した。
参考:ジョークボックス「窓口は13番」
ジョークボックス