犯罪「屁理屈誘導」
「おまえには黙秘権もあるが、ここで正直に話すと刑が軽くなる」
「・・・」
「やはり黙秘か。素直に白状すると、情状酌量が望めるかもしれん」
「私は、やっていません」
「やっとしゃべったな。で、何だって」
「私は、人殺しなんかしていません」
「嘘をつけ!」
「本当にやっていないんです」
「周りのものは、おまえを正直者だと言っている。間違いないか」
「どんなに脅されようと、正直を通すのが私の本分です」
「じゃあ、おまえが犯人だ」
「え!?」
「嘘をつけと言った後に、やっていないと言った。おまえは、嘘をつけと言われて正直に嘘をついた。やっていないというのは嘘ということで、やったということだ。だから、おまえが犯人だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
犯罪「空き巣御用」
「えーっ、どこにしようかなあ」
「兄貴、何探しているんだい?」
「決まっているだろう。空き巣に入る家だよ」
「そうだった。俺たち泥棒だったんだ」
「よし、決めた。この家にしよう。まずは、この家に電話をしてみる」
「そんなことしたら、これから行きますって言っているようなものだ」
「もし家に誰かいたら、間違い電話を装って切ればいい。留守番電話になったら留守ってことだから、堂々と空き巣が出来る」
「頭がいいねえ」
ルルルル・・ッ、カチャッ。
「(ただいま留守にしています。発信音が鳴り終わりましたら、メッセージをお入れ下さい。ピーッ)」
「今から空き巣に行くので、よろしくお願いいたします、てか。はっはっはっ・・・」
カチャッ
「兄貴、そんなメッセージ入れてもいいのかい?」
「大丈夫、留守なんだから、被害にあって、メッセージを聞けば、追い討ちをかけてショックが大きくなる。愉快愉快。じゃあ、行って来るわ」
かくして、泥棒はその家に入ったが、中では家人と警察が待ち構えていて、あえなく御用となった。
「私がトイレに入っている間に、留守電にメッセージが。それですぐ警察に電話したの」
「私たちが来るまで、恐かったでしょう。被害がなくてよかったですね。では、奥さん、犯人は取調べのため署に連行します。また何かあったら、ご連絡いたします」
次の日、警察から連絡が入った。
「例の犯人が口を割らないんですよ。アジトに仲間がいるようなんです。もう一度お宅に伺ってよろしいでしょうか。何か手がかりがあるかもしれませんので」
「はい」
数分後、警察がやってきた。
「これ、手がかりになりませんか?」
「電話履歴のコピーですね」
「電話ファックスのコピー機能で出せるんです」
「奥さん、お手柄です。犯人の電話番号が記載されています」
弟分の泥棒も、電話番号を辿られてあっさり御用となりました。めでたしめでたし。
映画「モモ/MOMO」1988
ある村の古代の円形劇場で、掃除夫ベッポがモモを見つける。モモは“聞き上手“で、村人たちが絶え間なく訪れ、不満や日常のことを話していく。いつしかモモは村人たちの人気者になる。そのなかでも特にベッポとジジとは親密だった。しかし、ある日“時間貯蓄銀行員“と名乗る時間泥棒が現れ、人々から時間を奪っていく。幸福だった人々はギスギスしていくので、モモは時間泥棒に戦いを挑む。
出演: ラドスト・ボーケル, ジョン・ヒューストン, ブルーノ・ストリ, レオポルド・トリエステ, ヨハネス・シャーフ
監督: ヨハネス・シャーフ
原作: ミヒャエル・エンデ「モモ」
モモ (岩波少年文庫)
参考:犯罪「屁理屈誘導」、犯罪「空き巣御用」
ジョークボックス
「おまえには黙秘権もあるが、ここで正直に話すと刑が軽くなる」
「・・・」
「やはり黙秘か。素直に白状すると、情状酌量が望めるかもしれん」
「私は、やっていません」
「やっとしゃべったな。で、何だって」
「私は、人殺しなんかしていません」
「嘘をつけ!」
「本当にやっていないんです」
「周りのものは、おまえを正直者だと言っている。間違いないか」
「どんなに脅されようと、正直を通すのが私の本分です」
「じゃあ、おまえが犯人だ」
「え!?」
「嘘をつけと言った後に、やっていないと言った。おまえは、嘘をつけと言われて正直に嘘をついた。やっていないというのは嘘ということで、やったということだ。だから、おまえが犯人だ」
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犯罪「空き巣御用」
「えーっ、どこにしようかなあ」
「兄貴、何探しているんだい?」
「決まっているだろう。空き巣に入る家だよ」
「そうだった。俺たち泥棒だったんだ」
「よし、決めた。この家にしよう。まずは、この家に電話をしてみる」
「そんなことしたら、これから行きますって言っているようなものだ」
「もし家に誰かいたら、間違い電話を装って切ればいい。留守番電話になったら留守ってことだから、堂々と空き巣が出来る」
「頭がいいねえ」
ルルルル・・ッ、カチャッ。
「(ただいま留守にしています。発信音が鳴り終わりましたら、メッセージをお入れ下さい。ピーッ)」
「今から空き巣に行くので、よろしくお願いいたします、てか。はっはっはっ・・・」
カチャッ
「兄貴、そんなメッセージ入れてもいいのかい?」
「大丈夫、留守なんだから、被害にあって、メッセージを聞けば、追い討ちをかけてショックが大きくなる。愉快愉快。じゃあ、行って来るわ」
かくして、泥棒はその家に入ったが、中では家人と警察が待ち構えていて、あえなく御用となった。
「私がトイレに入っている間に、留守電にメッセージが。それですぐ警察に電話したの」
「私たちが来るまで、恐かったでしょう。被害がなくてよかったですね。では、奥さん、犯人は取調べのため署に連行します。また何かあったら、ご連絡いたします」
次の日、警察から連絡が入った。
「例の犯人が口を割らないんですよ。アジトに仲間がいるようなんです。もう一度お宅に伺ってよろしいでしょうか。何か手がかりがあるかもしれませんので」
「はい」
数分後、警察がやってきた。
「これ、手がかりになりませんか?」
「電話履歴のコピーですね」
「電話ファックスのコピー機能で出せるんです」
「奥さん、お手柄です。犯人の電話番号が記載されています」
弟分の泥棒も、電話番号を辿られてあっさり御用となりました。めでたしめでたし。
映画「モモ/MOMO」1988
ある村の古代の円形劇場で、掃除夫ベッポがモモを見つける。モモは“聞き上手“で、村人たちが絶え間なく訪れ、不満や日常のことを話していく。いつしかモモは村人たちの人気者になる。そのなかでも特にベッポとジジとは親密だった。しかし、ある日“時間貯蓄銀行員“と名乗る時間泥棒が現れ、人々から時間を奪っていく。幸福だった人々はギスギスしていくので、モモは時間泥棒に戦いを挑む。
出演: ラドスト・ボーケル, ジョン・ヒューストン, ブルーノ・ストリ, レオポルド・トリエステ, ヨハネス・シャーフ
監督: ヨハネス・シャーフ
原作: ミヒャエル・エンデ「モモ」
モモ (岩波少年文庫)
参考:犯罪「屁理屈誘導」、犯罪「空き巣御用」
ジョークボックス