ジョークボックス「最後のチャンス」
ひとつ嘘をつくと、そのつじつま合わせにまたひとつ嘘をつく。嘘の上塗りだ。世の中の全員が嘘をついているわけではないから、嘘のピースをはめようとすると、絵は完成しない。誰が見ても虫食った絵になる。「生まれてこのかた、嘘と坊主の頭はゆったことがない」と言う人でも、一度は嘘を言っている。そう言った時点で嘘つきだとばれてしまう。
「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれる」とよく言われる。地獄極楽の門に閻魔がいて、「おまえは数限りない嘘で固めた人生を送ってきた。だから、おまえは地獄行きだ」と宣告される。「おまえは、正義を信じ正直に生きてきた。おまえは極楽の門をくぐりなさい」と言ってくれる。
ある男が閻魔の前に来た。
「おまえは、嘘をついたこともあったが、正直なところもあった。だから、最後の機会をやろう。極楽の門番は正直で、地獄の門番は嘘つきだ。ひとつだけ質問を許す。それで、どちらが極楽の門か当てなさい」
と最後のチャンスをもらった。
ある男は、「もしこちらが極楽の門ですかと聞かれたとき、何と答えますか?」
極楽の門番は、「極楽の門です」と。
地獄の門番は、「極楽の門ではない」 と。
こうして最後のチャンスをものにして、その男は天国の門をくぐって行った。
映画「それでもボクはやってない」2007
出演: 加瀬亮, 瀬戸朝香, 山本耕史, もたいまさこ, 役所広司
監督: 周防正行
名作「Shall we ダンス?」以来、11年ぶりに周防正行監督が選んだテーマは「裁判」。
周防正行監督が10年のブランクを経て完成させ、これまでの作風を一変させた社会派の1作。電車内で痴漢の容疑をかけられた青年が、無実を訴え続けるも、証拠不十分のために起訴されて裁判で闘い続けることになる。監督が痴漢冤罪事件を取材して練り上げた物語だけあって、細部まで綿密にリアルな展開。これまでの裁判映画では描ききれなかったシーンがいくつも登場し、最後まで観る者を惹きつけて離さない作りになっている。
参考:ジョークボックス「最後のチャンス」
ジョークボックス
ひとつ嘘をつくと、そのつじつま合わせにまたひとつ嘘をつく。嘘の上塗りだ。世の中の全員が嘘をついているわけではないから、嘘のピースをはめようとすると、絵は完成しない。誰が見ても虫食った絵になる。「生まれてこのかた、嘘と坊主の頭はゆったことがない」と言う人でも、一度は嘘を言っている。そう言った時点で嘘つきだとばれてしまう。
「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれる」とよく言われる。地獄極楽の門に閻魔がいて、「おまえは数限りない嘘で固めた人生を送ってきた。だから、おまえは地獄行きだ」と宣告される。「おまえは、正義を信じ正直に生きてきた。おまえは極楽の門をくぐりなさい」と言ってくれる。
ある男が閻魔の前に来た。
「おまえは、嘘をついたこともあったが、正直なところもあった。だから、最後の機会をやろう。極楽の門番は正直で、地獄の門番は嘘つきだ。ひとつだけ質問を許す。それで、どちらが極楽の門か当てなさい」
と最後のチャンスをもらった。
ある男は、「もしこちらが極楽の門ですかと聞かれたとき、何と答えますか?」
極楽の門番は、「極楽の門です」と。
地獄の門番は、「極楽の門ではない」 と。
こうして最後のチャンスをものにして、その男は天国の門をくぐって行った。
映画「それでもボクはやってない」2007
出演: 加瀬亮, 瀬戸朝香, 山本耕史, もたいまさこ, 役所広司
監督: 周防正行
名作「Shall we ダンス?」以来、11年ぶりに周防正行監督が選んだテーマは「裁判」。
周防正行監督が10年のブランクを経て完成させ、これまでの作風を一変させた社会派の1作。電車内で痴漢の容疑をかけられた青年が、無実を訴え続けるも、証拠不十分のために起訴されて裁判で闘い続けることになる。監督が痴漢冤罪事件を取材して練り上げた物語だけあって、細部まで綿密にリアルな展開。これまでの裁判映画では描ききれなかったシーンがいくつも登場し、最後まで観る者を惹きつけて離さない作りになっている。
参考:ジョークボックス「最後のチャンス」
ジョークボックス