ジョークボックス「サンタクロースの正体」
「ほら、鈴の音が聞こえてきたわよ」
シャンシャンシャーン、シャンシャンシャーン
「待ちに待ったサンタさんが、遠い国からやってきました」
「わあーい!」
「サンタさんは、プレゼントを一人ひとりに持って来てくれてるわよ」
「わあーい!」
「サンタさんのそばに行っても、あんまり話しかけないでね」
「???」
「サンタさんは、日本に来たばかりだから日本語はよくわからないの」
「はーい!」
サンタクロースから直接手渡されるプレゼントは格別です。こどもたちは、みんなうれしそうです。全員にプレゼントが行き渡りました。
「じゃあ、みんなで、サンタさんにお礼を言いましょう」
「はーい!」
「大きな声で、さんはい」
「園長先生! プレゼント、ありがとう!」
あわてて帰るサンタクロースでした。
「サンタクロースがいつ来るのかと、ずっと起きていた。ベランダで物音がすると、寝たふりをした。いつ来るいつ来ると寝ずに待っていたのに、いつの間にか寝てしまった。朝、目が覚めると、枕元にプレゼントが置いてあった。あんなわくわくする気持ちをもう一度味わいたい」
でも、もうそれを味わうことはできない。自分がサンタになる順番が来たのだから。
そのとき、ベランダの窓が開き、誰かが入ってきた。
「あなたは、だあれ?」
「俺は、サタンだ」
「サンタさん、プレゼントありがとう」
「昨日、おまえにプレゼントしたのは俺じゃない」
「わたしのサンタさんじゃないの?」
「違う」
「サンタさんって、たくさんいてるの?」
「サンタは、一人に一人だ」
そのとき、誰かが階段を上ってくる足音がした。
「まずい」
「まずくないわ。ママが、おいしいケーキ持ってくるの。いっしょに食べない?」
「ええい、覚えていろよ。今度来たときは、おまえを食ってやる」
悪魔は、そのまま闇に消えてしまった。
「今、誰か来てたの?」
「サンタさん。わたしのサンタさんじゃないんだって」
「ほんとに、サンタさん来たの?」
「また来るから、ちゃんと覚えときなさいって」
「わかっていれば、ケーキはもうないけど、ワインでも出したのに」
「ママの手作りケーキは、今度来たとき食ってやるって」
「まあ、食ってやるだなんて、そんな乱暴な言葉遣いしたの? サンタさんが」
「ちょいわるサンタさんだったのかも」
「それで、サンタさん、赤い服に長いおひげをはやしていた?」
「黒い服で、長いしっぽがあった」
「それサンタさんじゃなくて、サタンよ」
「サタンって?」
「悪魔のことよ」
ママは、急いでベランダの窓に鍵をかけた。そして、娘をしっかり抱きしめた。
「うぇーん、うぇーん・・・」
「もう泣かなくていいのよ。悪魔は逃げていったから」
「うぇーん、うぇーん・・・」
「大丈夫だから、泣かないで。ママがついているから」
「ママの足の下にケーキが・・。うぇーん・・・」
「かわいい子を食べ損ねたものだから、悪魔の仕返しだわ」
ママは、娘を強く抱きしめ、そっとつぶやいた。
「悪魔がママの足の下にケーキを置いたのよ」
「うぇーん、うぇーん・・・」
ママの足音を聞いただけで逃げていくのですから、弱虫悪魔に決まっている。
映画「サンタクロース/Santa Claus」1985
出演: ダドリー・ムーア, ジョン・リスゴー
監督: ヤノット・シュワルツ
サンタクロースが子供たちを悪から守るファンタジー。妖精たちに頼まれて子供たちにおもちゃを配るクラウス。サンタクロースとして夢とおもちゃを配り続けていた彼だが、嫉妬した妖精が悪徳玩具メーカーと手を組んで…。
映画「サンタクロースになった少年/Christmas Story」2007
出演: ハヌ・ペッカ・ビョルクマン, カリ・バーナネン, ミナ・ハップキラ, ミコ・レッピランピ, ラウラ・ビルン
監督: ヨハ・ウリオキ
サンタクロースはなぜサンタクロースになったのか。その少年時代が解き明かす、悲しくも心温まるサンタクロース誕生秘話。ラップランドの寒村。事故で両親と妹を失った幼いニコラスは、村人たちが1年交代で世話をすることになる。毎年クリスマスは、ニコラスが新しい家族の元へ移る日。彼はイブの晩、世話になった家の子供たちに手作りの玩具を置いておくのが習慣となった…。
参考:ジョークボックス「サンタクロースの正体」
ジョークボックス
「ほら、鈴の音が聞こえてきたわよ」
シャンシャンシャーン、シャンシャンシャーン
「待ちに待ったサンタさんが、遠い国からやってきました」
「わあーい!」
「サンタさんは、プレゼントを一人ひとりに持って来てくれてるわよ」
「わあーい!」
「サンタさんのそばに行っても、あんまり話しかけないでね」
「???」
「サンタさんは、日本に来たばかりだから日本語はよくわからないの」
「はーい!」
サンタクロースから直接手渡されるプレゼントは格別です。こどもたちは、みんなうれしそうです。全員にプレゼントが行き渡りました。
「じゃあ、みんなで、サンタさんにお礼を言いましょう」
「はーい!」
「大きな声で、さんはい」
「園長先生! プレゼント、ありがとう!」
あわてて帰るサンタクロースでした。
「サンタクロースがいつ来るのかと、ずっと起きていた。ベランダで物音がすると、寝たふりをした。いつ来るいつ来ると寝ずに待っていたのに、いつの間にか寝てしまった。朝、目が覚めると、枕元にプレゼントが置いてあった。あんなわくわくする気持ちをもう一度味わいたい」
でも、もうそれを味わうことはできない。自分がサンタになる順番が来たのだから。
そのとき、ベランダの窓が開き、誰かが入ってきた。
「あなたは、だあれ?」
「俺は、サタンだ」
「サンタさん、プレゼントありがとう」
「昨日、おまえにプレゼントしたのは俺じゃない」
「わたしのサンタさんじゃないの?」
「違う」
「サンタさんって、たくさんいてるの?」
「サンタは、一人に一人だ」
そのとき、誰かが階段を上ってくる足音がした。
「まずい」
「まずくないわ。ママが、おいしいケーキ持ってくるの。いっしょに食べない?」
「ええい、覚えていろよ。今度来たときは、おまえを食ってやる」
悪魔は、そのまま闇に消えてしまった。
「今、誰か来てたの?」
「サンタさん。わたしのサンタさんじゃないんだって」
「ほんとに、サンタさん来たの?」
「また来るから、ちゃんと覚えときなさいって」
「わかっていれば、ケーキはもうないけど、ワインでも出したのに」
「ママの手作りケーキは、今度来たとき食ってやるって」
「まあ、食ってやるだなんて、そんな乱暴な言葉遣いしたの? サンタさんが」
「ちょいわるサンタさんだったのかも」
「それで、サンタさん、赤い服に長いおひげをはやしていた?」
「黒い服で、長いしっぽがあった」
「それサンタさんじゃなくて、サタンよ」
「サタンって?」
「悪魔のことよ」
ママは、急いでベランダの窓に鍵をかけた。そして、娘をしっかり抱きしめた。
「うぇーん、うぇーん・・・」
「もう泣かなくていいのよ。悪魔は逃げていったから」
「うぇーん、うぇーん・・・」
「大丈夫だから、泣かないで。ママがついているから」
「ママの足の下にケーキが・・。うぇーん・・・」
「かわいい子を食べ損ねたものだから、悪魔の仕返しだわ」
ママは、娘を強く抱きしめ、そっとつぶやいた。
「悪魔がママの足の下にケーキを置いたのよ」
「うぇーん、うぇーん・・・」
ママの足音を聞いただけで逃げていくのですから、弱虫悪魔に決まっている。
映画「サンタクロース/Santa Claus」1985
出演: ダドリー・ムーア, ジョン・リスゴー
監督: ヤノット・シュワルツ
サンタクロースが子供たちを悪から守るファンタジー。妖精たちに頼まれて子供たちにおもちゃを配るクラウス。サンタクロースとして夢とおもちゃを配り続けていた彼だが、嫉妬した妖精が悪徳玩具メーカーと手を組んで…。
映画「サンタクロースになった少年/Christmas Story」2007
出演: ハヌ・ペッカ・ビョルクマン, カリ・バーナネン, ミナ・ハップキラ, ミコ・レッピランピ, ラウラ・ビルン
監督: ヨハ・ウリオキ
サンタクロースはなぜサンタクロースになったのか。その少年時代が解き明かす、悲しくも心温まるサンタクロース誕生秘話。ラップランドの寒村。事故で両親と妹を失った幼いニコラスは、村人たちが1年交代で世話をすることになる。毎年クリスマスは、ニコラスが新しい家族の元へ移る日。彼はイブの晩、世話になった家の子供たちに手作りの玩具を置いておくのが習慣となった…。
参考:ジョークボックス「サンタクロースの正体」
ジョークボックス