漫才「酒に強くなった」
「いつも仕事から帰ると風呂に入って、缶ビールを飲むんだ」
「風呂上がりのビールはうまいだろう?」
「そりゃもう格別。だからいつも冷蔵庫にビール入れておく」
「君とこ冷蔵庫あったっけ?」
「いつもコンビニでビール買って、帰っていたんだけど、風呂上がりにもうぬるくなっていたり、もう1本飲みたいとき、また買いに行かないといけなかったりしないといけないだろう」
「そうだなあ」
「だから狭い部屋だけど、奮発して冷蔵庫買ったんだ」
「でも飲み過ぎに注意しろよ。部屋にビール工場があるようなものだから」
「だから冷蔵庫のドアに張り紙してある。飲むのは『2本まで』って」
「それで我慢できるの?」
「もともと酒は弱いし、お金もないし」
「えらいねえ。ぼくなんか5本6本と飲んで、バタンと死んだように眠る」
「ギャラ折半なのによく飲むね。家では飲むのが仕事だから」
「そんな仕事やってみたいよ」
「でも酒が弱いんだろう。いつもみんなと飲みに行ったとき、ゲコゲコってカエルみたいに鳴いているじゃないか」
「それが最近違うんだ。2本までと思っても、3本4本と増えて、朝になったら10本ぐらいになっている。だから今度からジョウゴジョウゴて鳴けそうだ」
「何だいそれ。とこれで汗はかかない?」
「よくかく」
「それねえ。ビールが汗になって抜けていくんだよ」
「酒が強くなったのじゃなくて、汗かきになったのか」
「ビールはすぐトイレにいきたくなるし、とにかくすぐ体から抜けていこうとする」
「それじゃあ、ビール飲んで車も運転できるね」
「何をバカなこと言っているんだ。飲酒運転で捕まる。君が捕まるのはいいが、君だけの問題で済まないんだ。マスコミに叩かれてもう漫才できなくなるし、たくさんの悲劇が生まれるんだ。絶対飲酒運転はだめだからな」
「コップ1杯だけなら」
「1杯だけでもだめ!」
(思いっきり頭を叩く)
「痛い! 本気モードはやめてくれ。免許持っていないの知っているだろう」
「世間の人はそんなこと知らないんだから」
「い、1杯」
「まだ言うか!」
「ごめんごめん。家で飲む話に戻そう」
「ビール飲んでも体から出ていくって話は、ビールはお酒の中でいちばん利尿作用があるってこと」
「利尿って?」
「日本酒やウイスキー飲んでいるより、ビールがいちばん飲んでいる方がトイレに行きたくなる作用のこと」
「作用でございますか」
「また叩かれたいの? それより買った冷蔵庫見せてくれよ」
「これなんだ」
「相変わらず汚い部屋だね。でもそこそこの冷蔵庫。君一人だけなら十分だね。中見せてもらうよ」
(ドアを開く)
「あっ」
「何?」
「見せてもらうよと言う前に、中見たよ。普通は『見せてもらうよ』って聞いて、どうぞと言われて見るんじゃないの?」
「違う違う。そうしたよ」
「じゃあもう一度やってみて」
「おお、そこそこの冷蔵庫。中見せてもらうよ」
(中を見る)
「ほら、やっぱり見てる」
「違う違う。君がどうぞ言うタイミングが遅いんだよ。台本そうなっていただろう?」
「じゃあもう一度やってみて」
「中、見せてもらうよ」
「・・・」
「も、もう!早く言えよ!」
「ど・う・ぞ」
「変なことに抜け目ないんだ。わあー!すごいビール」
「100本ぐらい入っている。張り紙も『20本まで』って書き換えた」
「酒強くなったのかもしれないけど、このままじゃ。アル中になって入院することになるぞ」
「今日ぼくも飲んでやるから、一度この冷蔵庫を空っぽにしよう。もう一度初心に戻って張り紙を『2本まで』にしよう」
「もうアルコールで感覚がおかしくなっているのかもしれない」
「あれ? 抜け目のない君が、こんなところに抜け目があるよ」
「ああ、それでそこからビールが抜けていったんだな」
「ここに入っているビール全部、ノンアルコールだよ」
「??」
「ラベルがよくにているだけで、アルコールが入っていないただの飲料水」
「無料の飲料水?」
「違うよ。アルコールゼロ、カロリーゼロ、糖質ゼロのただの飲料水」
「無料なのにお金出して損した。ケースで買ったからなあ」
「そこじゃない。ただはただでも、単なる飲料水ってこと」
「通りで何本飲んでも酔わないはずだ」
「勘弁してくれよ。人騒がせな」
「それはこっちが言いたいこと。勘弁してくれよ。人騒がせな。飲料水のメーカーと販売店の抜け目なさ」
「いちばん抜けているのは君だよ」
参考:漫才「酒に強くなった」
ジョークボックス
「いつも仕事から帰ると風呂に入って、缶ビールを飲むんだ」
「風呂上がりのビールはうまいだろう?」
「そりゃもう格別。だからいつも冷蔵庫にビール入れておく」
「君とこ冷蔵庫あったっけ?」
「いつもコンビニでビール買って、帰っていたんだけど、風呂上がりにもうぬるくなっていたり、もう1本飲みたいとき、また買いに行かないといけなかったりしないといけないだろう」
「そうだなあ」
「だから狭い部屋だけど、奮発して冷蔵庫買ったんだ」
「でも飲み過ぎに注意しろよ。部屋にビール工場があるようなものだから」
「だから冷蔵庫のドアに張り紙してある。飲むのは『2本まで』って」
「それで我慢できるの?」
「もともと酒は弱いし、お金もないし」
「えらいねえ。ぼくなんか5本6本と飲んで、バタンと死んだように眠る」
「ギャラ折半なのによく飲むね。家では飲むのが仕事だから」
「そんな仕事やってみたいよ」
「でも酒が弱いんだろう。いつもみんなと飲みに行ったとき、ゲコゲコってカエルみたいに鳴いているじゃないか」
「それが最近違うんだ。2本までと思っても、3本4本と増えて、朝になったら10本ぐらいになっている。だから今度からジョウゴジョウゴて鳴けそうだ」
「何だいそれ。とこれで汗はかかない?」
「よくかく」
「それねえ。ビールが汗になって抜けていくんだよ」
「酒が強くなったのじゃなくて、汗かきになったのか」
「ビールはすぐトイレにいきたくなるし、とにかくすぐ体から抜けていこうとする」
「それじゃあ、ビール飲んで車も運転できるね」
「何をバカなこと言っているんだ。飲酒運転で捕まる。君が捕まるのはいいが、君だけの問題で済まないんだ。マスコミに叩かれてもう漫才できなくなるし、たくさんの悲劇が生まれるんだ。絶対飲酒運転はだめだからな」
「コップ1杯だけなら」
「1杯だけでもだめ!」
(思いっきり頭を叩く)
「痛い! 本気モードはやめてくれ。免許持っていないの知っているだろう」
「世間の人はそんなこと知らないんだから」
「い、1杯」
「まだ言うか!」
「ごめんごめん。家で飲む話に戻そう」
「ビール飲んでも体から出ていくって話は、ビールはお酒の中でいちばん利尿作用があるってこと」
「利尿って?」
「日本酒やウイスキー飲んでいるより、ビールがいちばん飲んでいる方がトイレに行きたくなる作用のこと」
「作用でございますか」
「また叩かれたいの? それより買った冷蔵庫見せてくれよ」
「これなんだ」
「相変わらず汚い部屋だね。でもそこそこの冷蔵庫。君一人だけなら十分だね。中見せてもらうよ」
(ドアを開く)
「あっ」
「何?」
「見せてもらうよと言う前に、中見たよ。普通は『見せてもらうよ』って聞いて、どうぞと言われて見るんじゃないの?」
「違う違う。そうしたよ」
「じゃあもう一度やってみて」
「おお、そこそこの冷蔵庫。中見せてもらうよ」
(中を見る)
「ほら、やっぱり見てる」
「違う違う。君がどうぞ言うタイミングが遅いんだよ。台本そうなっていただろう?」
「じゃあもう一度やってみて」
「中、見せてもらうよ」
「・・・」
「も、もう!早く言えよ!」
「ど・う・ぞ」
「変なことに抜け目ないんだ。わあー!すごいビール」
「100本ぐらい入っている。張り紙も『20本まで』って書き換えた」
「酒強くなったのかもしれないけど、このままじゃ。アル中になって入院することになるぞ」
「今日ぼくも飲んでやるから、一度この冷蔵庫を空っぽにしよう。もう一度初心に戻って張り紙を『2本まで』にしよう」
「もうアルコールで感覚がおかしくなっているのかもしれない」
「あれ? 抜け目のない君が、こんなところに抜け目があるよ」
「ああ、それでそこからビールが抜けていったんだな」
「ここに入っているビール全部、ノンアルコールだよ」
「??」
「ラベルがよくにているだけで、アルコールが入っていないただの飲料水」
「無料の飲料水?」
「違うよ。アルコールゼロ、カロリーゼロ、糖質ゼロのただの飲料水」
「無料なのにお金出して損した。ケースで買ったからなあ」
「そこじゃない。ただはただでも、単なる飲料水ってこと」
「通りで何本飲んでも酔わないはずだ」
「勘弁してくれよ。人騒がせな」
「それはこっちが言いたいこと。勘弁してくれよ。人騒がせな。飲料水のメーカーと販売店の抜け目なさ」
「いちばん抜けているのは君だよ」
参考:漫才「酒に強くなった」
ジョークボックス