漫才「アルバイト大募集」
「表のアルバイトの募集を見てきたのですが」
「じゃあ面接しましょう」
「はい」
「夜の仕事は入れますか」
「昼間だったら入れるのですが」
「申し訳ない。夜のバイトいるんだよね」
「(怒)もっとちゃんかいておいてください」
「なんでこっちが怒られなくちゃならないんだ。もしも採用ならいびって追い出してやるからな。こら!」
「なんで怒られないといけないんですか?」
「ああ、すまんすまん」
「あの、アルバイトの募集を見てきたのですが」
「女性ですね」
「はい。男に見えますか?」
「あの募集は男性バイトの募集です」
「夜も入れます」
「お店の中ならあなたでもいいのですが、裏の仕事でから」
「やばい仕事? 漫才とか」
「そんなやばくありません。店の裏の倉庫で重いものばかり取り扱います。力持ちの男性がいいんです」
「(怒)わかりました、それならそうと、ちゃんと書いておいってください」
「なんでこっちが怒られなくちゃならないんだ。もしも採用ならこいつもいびって追い出してやるからな。こら!」
「なんで怒られないといけないんですか?」
「ああ、すまんすまん」
「表のアルバイトの募集を見てきたのですが」
「今度はぶっとい女性だ」
「夜も出勤できます。男性に負けないくらい力もあります」
「みたいですね。わたしと腕相撲してもらえますか?」
「はい。本当の紙相撲も強いですよ」
「それは知らんが、腕相撲だ」
「おお・・、本当に力があるね。では履歴書見せてください」
「はい。これです」
「ごめんなさい。不採用です」
「どうしてですか? 年齢?」
「年齢は関係ありません」
「趣味?」
「趣味のアニメ好きも?関係ありません」
「それでは顔?」
「顔は少しありますが」
「あるんかい。本当のところなんですか?」
「お名前です」
「木村なんてどこにでもある名前ですよ」
「下の名前が『太(ふとい)』じゃないんです」
「わたし結構い太っているといわれますが」
「体格じゃないんです。名前が『太(ふとし)』じゃないんです」
「そりゃそうですよ。女ですから、男のような名前じゃないです」
「募集の張り紙、ちゃんと見ていただけました?」
「アルバイト大募集の張り紙見ました。急ぎバイトの人、大勢い募集しているんだと思いました」
「申し訳ありません。あれ『大』じゃなく『太(ふとい)』です」
「どういうこと?」
「先日、太(ふとし)くんという大学生がバイト辞めて、店は大忙し。太くんは力持ちで、夜遅くまで働いてくれました。ところが、突然家の近くで、もっと時給が高いところが見つかったらしくて。時給が高くするからと言っても、家が近くないからと言ってやめてしまった」
「そりゃそうでしょう。時給が高くて、夜遅くまで働くなら近くの方がいいに決まっている」
「そう思って、太くんのために冷暖房完備、ネットもできる、賃貸無料の広い下宿を作ったんだ。太くんに戻って来てほしくて」
「じゃあ『大募集』ではなく『太募集』だったのね。バイト面接に来たのに点で不採用」
「ということで今回の採用は見送らせていただきます」
「ちょっと待ってください。太くんの連絡先わかりますよね」
「はい」
「こうこう言う待遇にしましたから、また来てくださいと」
「でもねえ。こういうのは縁のものだから」
「だから時給あげたんでしょう」
「その円じゃないんです」
「それならわたしのほうに縁がありますよ」
「どういうこと?」
「(スマホを取り出して)これ見てください。わたし太くんです」
「ネットの掲示板ですね」
「この『太くん』というハンドル名わたしです」
「そうなの。太くん、採用おめでとう!」
「ありがとうございます、店長代理」
「帰る前にひと仕事していきなさい」
「何です?」
「アルバイト太募集の張り紙を剥がしていきなさい」
「ところで、店長はどこにいるんです?」
「実は店長は、太くんだったんです」
「これでわたしは店長代理の任は解かれて、晴れてあなたが店長です」
「こんなんでいいんですか?」
「いいんです。困難はこれからやってきます」
参考:漫才「アルバイト大募集」
ジョークボックス
「表のアルバイトの募集を見てきたのですが」
「じゃあ面接しましょう」
「はい」
「夜の仕事は入れますか」
「昼間だったら入れるのですが」
「申し訳ない。夜のバイトいるんだよね」
「(怒)もっとちゃんかいておいてください」
「なんでこっちが怒られなくちゃならないんだ。もしも採用ならいびって追い出してやるからな。こら!」
「なんで怒られないといけないんですか?」
「ああ、すまんすまん」
「あの、アルバイトの募集を見てきたのですが」
「女性ですね」
「はい。男に見えますか?」
「あの募集は男性バイトの募集です」
「夜も入れます」
「お店の中ならあなたでもいいのですが、裏の仕事でから」
「やばい仕事? 漫才とか」
「そんなやばくありません。店の裏の倉庫で重いものばかり取り扱います。力持ちの男性がいいんです」
「(怒)わかりました、それならそうと、ちゃんと書いておいってください」
「なんでこっちが怒られなくちゃならないんだ。もしも採用ならこいつもいびって追い出してやるからな。こら!」
「なんで怒られないといけないんですか?」
「ああ、すまんすまん」
「表のアルバイトの募集を見てきたのですが」
「今度はぶっとい女性だ」
「夜も出勤できます。男性に負けないくらい力もあります」
「みたいですね。わたしと腕相撲してもらえますか?」
「はい。本当の紙相撲も強いですよ」
「それは知らんが、腕相撲だ」
「おお・・、本当に力があるね。では履歴書見せてください」
「はい。これです」
「ごめんなさい。不採用です」
「どうしてですか? 年齢?」
「年齢は関係ありません」
「趣味?」
「趣味のアニメ好きも?関係ありません」
「それでは顔?」
「顔は少しありますが」
「あるんかい。本当のところなんですか?」
「お名前です」
「木村なんてどこにでもある名前ですよ」
「下の名前が『太(ふとい)』じゃないんです」
「わたし結構い太っているといわれますが」
「体格じゃないんです。名前が『太(ふとし)』じゃないんです」
「そりゃそうですよ。女ですから、男のような名前じゃないです」
「募集の張り紙、ちゃんと見ていただけました?」
「アルバイト大募集の張り紙見ました。急ぎバイトの人、大勢い募集しているんだと思いました」
「申し訳ありません。あれ『大』じゃなく『太(ふとい)』です」
「どういうこと?」
「先日、太(ふとし)くんという大学生がバイト辞めて、店は大忙し。太くんは力持ちで、夜遅くまで働いてくれました。ところが、突然家の近くで、もっと時給が高いところが見つかったらしくて。時給が高くするからと言っても、家が近くないからと言ってやめてしまった」
「そりゃそうでしょう。時給が高くて、夜遅くまで働くなら近くの方がいいに決まっている」
「そう思って、太くんのために冷暖房完備、ネットもできる、賃貸無料の広い下宿を作ったんだ。太くんに戻って来てほしくて」
「じゃあ『大募集』ではなく『太募集』だったのね。バイト面接に来たのに点で不採用」
「ということで今回の採用は見送らせていただきます」
「ちょっと待ってください。太くんの連絡先わかりますよね」
「はい」
「こうこう言う待遇にしましたから、また来てくださいと」
「でもねえ。こういうのは縁のものだから」
「だから時給あげたんでしょう」
「その円じゃないんです」
「それならわたしのほうに縁がありますよ」
「どういうこと?」
「(スマホを取り出して)これ見てください。わたし太くんです」
「ネットの掲示板ですね」
「この『太くん』というハンドル名わたしです」
「そうなの。太くん、採用おめでとう!」
「ありがとうございます、店長代理」
「帰る前にひと仕事していきなさい」
「何です?」
「アルバイト太募集の張り紙を剥がしていきなさい」
「ところで、店長はどこにいるんです?」
「実は店長は、太くんだったんです」
「これでわたしは店長代理の任は解かれて、晴れてあなたが店長です」
「こんなんでいいんですか?」
「いいんです。困難はこれからやってきます」
参考:漫才「アルバイト大募集」
ジョークボックス