漫才「タヌキとアライグマ」
「あっ、ちょっと待って」
「おい今から仕事するんだぞ」
「急なLINEで、返事しないと」
「そんなの放っておけよ。それでなんて?」
「お前も気になるのかい?」
「今夜コンパに誘った後輩が、キャンセルしてきたんだ」
「先輩の言うことは、親が死んでも絶対服従だぞ」
「そんなことないよ。この後輩ね、何度誘っても断ってくるんだ」
「お酒が入って、楽しいこといっぱいあるのになあ」
「その後輩、お酒が飲めないとか」
「そうなんだ。全く飲めなくて、はじめてきたときは、一人だけ盛り上がらなくて、落ち込んで帰ったことある」
「だからだ。その時の嫌な気分が、誘いをキャンセルさせるんだ」
「だったらそう言えばいいのに、病気で起き上がれませんって送ってくる。見てよ」
「今日は風邪で外出できません」
「いつもこうなんだ。みんなに風邪うつすことになるからって」
「気を使って返事だけはしてるんだね。絵文字なんか、クシュンとなって元気ないよ」
「それはそうなんだけど」
「スタンプも、もう死にそうになっている」
「それがおかしいんだよ。寝込んでいるのに、すぐ返事は来るし、長文だし、スタンプもいろいろ持っていて、こちらがやめない限り終わりがこないんだ。まるで元気で寝込んでいるみたいで」
「それ元気病かもしれないね」
「それ、病気かい?」
「世の中には知らない、聞いたことない病気があるよ」
「世の中甘く見ちゃいけないよ。知っていてもわからないことだらけなんだから」
「知っているなら、知らないってことはないだろう?」
「じゃあ、シマウマって知っている?」
「そんなの子どもでも知っているよ」
「じゃあ、シマウマってなんてなく?」
「ええ?? シマウマシマウマてなく」
「間違い。シマウマはワンワンってなくんだ」
「ワンワンってなくのは犬だろう。そうだけどシマウマも同じなんだ」
「馬になったり、犬になったり忙しい動物だね。はじめて知った。知っているようで知らないんだね。そう考えると、知らないことだらけだね」
「じゃあこのシマウマ、本当は黒馬でしょうか、白馬でしょうか?」
「ええ、どういう意味?」
「シマウマの毛を全部そったら、中から出てくるのは黒馬か白馬かってこと」
「毛をそったシマウマなんて見たことないし、見るのはいつもシマシマ模様のシマウマだけだから、答えはわからない」
「答え! 毛をそったシマウマはぼくも見たことないのでわからない」
「何だよう。もやもやするなあ。スッキリしたい」
「スッキリしたい病だね」
「お前がしたんだろう」
「ググって、検索すればわかるだろう」
「何だか騙された気がする」
「ところで人間を騙す動物知ってるかい?」
「昔から言われるのは、狐や狸」
「そうだね」
(Tシャツのプリントを見せて)
「この動物の名前は?」
「それは、タヌキだよね」
「ブッブーッ。これはアライグマ」
「どう見てもタヌキに見えるけど」
「タヌキとアライグマの違いにはいくつかあるんだけど。顔が違う」
「今かお見ていったんだけど、違いがわからない」
「よく見ると、ひげが白くて威張っている。外国から来た外来種だからだろうねえ」
「外国から来るとどうして威張るんだい」
「黒船が日本に来たとき、早く上陸させろって威張ったんだ」
「本当に?」
「ペリーが日本人通訳に伝えたんだ」
「それだったら日本人が日本人に威張っているんじゃないの?」
「そんな古い話、まだ生まれていなかったから知らん!」
「威張っているのお前だろう」
「そうか」
「あっさり認めるんだ」
「まだまだタヌキとの違いはあるぞ」
「どんな?」
「アライグマは木登りが得意なんだ。木に登っているたぬきを見たら、たいていアライグマだ。手が登りやすい形になっている。その時ちゃんと見るんだぞ」
「何を?」
「しっぽがシマシマになっていたらアライグマだ。それに眉間から頭頂に走る黒い線が特徴だ」
「じゃああそこに手で顔隠して、しっぽも丸めて寝ているのは、タヌキ?アライグマ?」
「特徴を全部隠してるなあ」
「新種のタヌキじゃない?」
「あっ、あれは狸寝入りしているアライグマだ」
「本当に?」
「まあまあ、帰りたぬきそばでも食って帰ろうや」
「ぼくはキツネにする」
参考:漫才「タヌキとアライグマ」
ジョークボックス
「あっ、ちょっと待って」
「おい今から仕事するんだぞ」
「急なLINEで、返事しないと」
「そんなの放っておけよ。それでなんて?」
「お前も気になるのかい?」
「今夜コンパに誘った後輩が、キャンセルしてきたんだ」
「先輩の言うことは、親が死んでも絶対服従だぞ」
「そんなことないよ。この後輩ね、何度誘っても断ってくるんだ」
「お酒が入って、楽しいこといっぱいあるのになあ」
「その後輩、お酒が飲めないとか」
「そうなんだ。全く飲めなくて、はじめてきたときは、一人だけ盛り上がらなくて、落ち込んで帰ったことある」
「だからだ。その時の嫌な気分が、誘いをキャンセルさせるんだ」
「だったらそう言えばいいのに、病気で起き上がれませんって送ってくる。見てよ」
「今日は風邪で外出できません」
「いつもこうなんだ。みんなに風邪うつすことになるからって」
「気を使って返事だけはしてるんだね。絵文字なんか、クシュンとなって元気ないよ」
「それはそうなんだけど」
「スタンプも、もう死にそうになっている」
「それがおかしいんだよ。寝込んでいるのに、すぐ返事は来るし、長文だし、スタンプもいろいろ持っていて、こちらがやめない限り終わりがこないんだ。まるで元気で寝込んでいるみたいで」
「それ元気病かもしれないね」
「それ、病気かい?」
「世の中には知らない、聞いたことない病気があるよ」
「世の中甘く見ちゃいけないよ。知っていてもわからないことだらけなんだから」
「知っているなら、知らないってことはないだろう?」
「じゃあ、シマウマって知っている?」
「そんなの子どもでも知っているよ」
「じゃあ、シマウマってなんてなく?」
「ええ?? シマウマシマウマてなく」
「間違い。シマウマはワンワンってなくんだ」
「ワンワンってなくのは犬だろう。そうだけどシマウマも同じなんだ」
「馬になったり、犬になったり忙しい動物だね。はじめて知った。知っているようで知らないんだね。そう考えると、知らないことだらけだね」
「じゃあこのシマウマ、本当は黒馬でしょうか、白馬でしょうか?」
「ええ、どういう意味?」
「シマウマの毛を全部そったら、中から出てくるのは黒馬か白馬かってこと」
「毛をそったシマウマなんて見たことないし、見るのはいつもシマシマ模様のシマウマだけだから、答えはわからない」
「答え! 毛をそったシマウマはぼくも見たことないのでわからない」
「何だよう。もやもやするなあ。スッキリしたい」
「スッキリしたい病だね」
「お前がしたんだろう」
「ググって、検索すればわかるだろう」
「何だか騙された気がする」
「ところで人間を騙す動物知ってるかい?」
「昔から言われるのは、狐や狸」
「そうだね」
(Tシャツのプリントを見せて)
「この動物の名前は?」
「それは、タヌキだよね」
「ブッブーッ。これはアライグマ」
「どう見てもタヌキに見えるけど」
「タヌキとアライグマの違いにはいくつかあるんだけど。顔が違う」
「今かお見ていったんだけど、違いがわからない」
「よく見ると、ひげが白くて威張っている。外国から来た外来種だからだろうねえ」
「外国から来るとどうして威張るんだい」
「黒船が日本に来たとき、早く上陸させろって威張ったんだ」
「本当に?」
「ペリーが日本人通訳に伝えたんだ」
「それだったら日本人が日本人に威張っているんじゃないの?」
「そんな古い話、まだ生まれていなかったから知らん!」
「威張っているのお前だろう」
「そうか」
「あっさり認めるんだ」
「まだまだタヌキとの違いはあるぞ」
「どんな?」
「アライグマは木登りが得意なんだ。木に登っているたぬきを見たら、たいていアライグマだ。手が登りやすい形になっている。その時ちゃんと見るんだぞ」
「何を?」
「しっぽがシマシマになっていたらアライグマだ。それに眉間から頭頂に走る黒い線が特徴だ」
「じゃああそこに手で顔隠して、しっぽも丸めて寝ているのは、タヌキ?アライグマ?」
「特徴を全部隠してるなあ」
「新種のタヌキじゃない?」
「あっ、あれは狸寝入りしているアライグマだ」
「本当に?」
「まあまあ、帰りたぬきそばでも食って帰ろうや」
「ぼくはキツネにする」
参考:漫才「タヌキとアライグマ」
ジョークボックス